結婚式二次会の司会を任されたら、最低限のマナーを知っておく必要があります。
司会はパーティーで最も多くゲストの前でしゃべるので、どうしても目立ってしまうのです。
司会のマナーが悪いと、新郎新婦やゲストに不快な思いをさせてしまいますし、パーティーのクオリティを下げる原因にもなります。
主に服装や言葉遣いですがお祝いの席なので、いくら友人のみのカジュアルなパーティーであるとはいえ、最低限マナーをしっかり把握し、司会のマナーで会場を盛り下げることのないように注意しましょう。
結婚式二次会の司会のマナーがなっていないとパーティーのクオリティが下がる?
司会はパーティーを進行する上でゲストの前に立ちアナウンスすることになるので、他のゲストより目立ちます。基本的なことでは服装やメイクなど見た目と、言葉遣いのマナーでしょう。
実際の結婚式二次会の参加者の声には、「司会者の服装やメイクが派手で、新郎新婦より目立っていた」という声がありました。当然ですが新郎新婦より目立つ衣装はタブーです。
しかし司会者は華やかな役割で写真に写り込むことも多いので、地味すぎるのも考えものです。
そもそも不潔感があったり髪がぼさぼさだったりするのはお祝いの席にふさわしくありませんよね。
またお祝いの席にふさわしくない言葉を使うことがないように気を付けなくてはいけません。日常的に使っている言葉はつい出てしまいがちです。
また新郎新婦や参加するゲストの顔触れによっては避けるべきNGワードがあるかもしれません。
ゲスト全員に共通しない内輪ネタで盛り上がるのも基本的にはNGとされています。
インターネット上の掲示板では「さっぱりわからない話題で司会者と一部のグループだけが盛り上がっていた」という参加者の声もありました。
「声が小さくて聞き取りにくかった。パーティーがしんみりした」という声もありました。
声の大きさやトーン、しゃべり方、など言葉選び以外にも注意すべき点がありそうです。
司会はゲストの状況を見て足並みを揃えながら無理のない進行をすることが大切です。
司会経験が浅い人や初めての人は、つい「制限時間内にイベントを進行しなければ」という意識が強くなりすぎて、ゲストの状況を顧みずに無理な進行をしてしまいがちです。
ゲストに一切寄せずマイウェイを突っ走ってしまうと、結果的にゲストを置き去りにしてしまい不満が出る原因になります。
焦ってゲストを無視してしまうことは避けたいですよね。最低限ゲストの状況を把握することも司会のマナーと言えます。
結婚式二次会司会が徹底したいマナーとは
結婚式二次会は仲のいい友人だけで開かれるカジュアルなパーティーになることが多いですが、お祝いの席であることに変わりはありません。
結婚式二次会の司会が最低限守りたいマナーや気を付けるべきNGワードについて解説していきます。
- 服装、見た目
- 言葉遣い、NGワード
- 態度、ゲストへの配慮
の3つの項目に分けてご紹介していきましょう。
① 結婚式二次会司会のマナー:司会者としての気品を保つ服装や見た目を心掛けよう
白、または全身真黒な服装
結婚式や二次会などには一ゲストでも正装をするという暗黙の了解がありますよね。
よく知られているのは、白は新郎新婦の特別な色なので避けるべきというものです。
白いワンピースや白いスーツ・タキシードを着るのはNGです。白と近い淡い色合いの洋服も避けと方がいいでしょう。
また全身黒のワンピースやスーツも弔事のイメージなのでNGです。小物や靴、アクセサリーなどで華やかに昇華させましょう。
派手過ぎる衣装、露出が多いデザイン
主役の新郎新婦よりも目立ってしまうような派手すぎる服装もNGです。あまりにもカラフルだったり色が鮮やか過ぎたり、スパンコールやビジュー、メイクがギラギラというのも避けましょう。
司会らしい華やかさは意識しつつ、悪目立ちしないように心がけましょう。
司会は露出が多すぎるコーデもNGです。結婚式よりもカジュアルなパーティーになることが多いですが、下品に見られる可能性もあるので、露出のしすぎには注意です。
とくに女性はスカート丈や胸元のデザインなどに注意し、パーティーの品を損なわないような服装を心掛けましょう。
カジュアル過ぎる服装
カジュアルなパーティーなので、普段から着るような普段着はNGです。
何か指定がない限りフォーマルな服装でいくのがマナーなので、スーツやワンピースを選ぶのが基本です。
しかしパーティーのテーマに合わせて服装の指定がある場合もありますよね。
例えば「デニム」「ボーダー」「青」などのドレスコードが決まっている場合は、その要素を取り入れなくてはいけません。
「デニム」であればある程度カジュアルになることが想定されていると思うのでそこまで問題はないと思いますが、トップスをシャツやブラウスにしたり、足元をヒールにしたりしてキレイめの着こなしに仕上げるといいでしょう。
「青」「黄色」などのカラーを指定された場合はワンピースやネクタイなど小物の色で投入し、全体的に控えめでフォーマルな仕上がりになれば問題ないでしょう。
状況によって様々ですが、あくまでパーティーの雰囲気に合わせ、フォーマルで少し華やかな印象を心掛けましょう。
男性は、基本的にビジネススーツでも問題ありません。ベストがあると尚良いでしょう。
しわになっていないか、丈は合っているか確認しましょう。
平服指定の場合は上下セットのものでなくてもOKです。ネクタイや蝶ネクタイ、ポケットチーフで、華やかさや季節感を出すのがおすすめです。
靴は、革靴かエナメルシューズで問題ありませんが、きちんと磨いてある清潔感のあるものにしましょう。
髪はきちんとセットします。
女性の司会者であれば、ワンピースなら膝やデコルテが出過ぎないデザインに、アクセサリーも目立ちすぎないワンポイントのものなどがおすすめです。
洋服にはしっかりアイロンをかけて清潔感のある印象を心掛けましょう。
髪はしっかりセットし、照明などで色が飛ぶのでメイクは普段より少し派手でもいいですが、あくまで健康的なメイクを心掛け、新婦より目立つことのないように気を付けましょう。
司会者はずっと立っていたり、ゲストを誘導する際に動き回ったりすることもあるので、高過ぎるヒールやロング丈のスカートなど動きにくい服装は避けたほうがいいかもしれません。
司会は見た目の印象も大切です。清潔感があり、品の良い服装を目指すといいと思います。
とはいえかしこまり過ぎたビジネススーツや、フォーマルにしようとて地味過ぎてしまう服装もパーティーの雰囲気に合わないかもしれません。会場の雰囲気や、ゲストの年代なども考慮して決めましょう。
迷ったら新郎新婦や幹事に相談するのも良いでしょう。パーティーをスムーズに進行するためには、ゲストに司会者として受け入れられることが大切です。
第一印象からつまずくともったいないので、まず見た目のマナーに気を付けましょう。
② 結婚式二次会司会のマナー:NGワードに注意しよう
結婚式二次会は仲のいい友人のみで行われることも多いですが、基本的には敬語で司会進行します。失礼のない丁寧なしゃべり方を心掛けることと、言葉選びにも気を付けなくてはいけません。詳しくご紹介していきましょう。
「忌み言葉」、「重ね言葉」
普段意識せずに使っている言葉も、お祝いの席だと「忌み言葉」「重ね言葉」と言われるNGワードになり得るのです。
つい口をついて出てしまうこともあると思うので、パーティーの雰囲気を壊さないためにも、NGワードを把握し確認しておきましょう。
私なりに「忌み言葉」「重ね言葉」の一覧を作ってみたので参考にしてください。
NGワード 種類 | 内容 |
不幸を連想させる忌み言葉 | 忙しい 最後 泣く 悲しむ 消える 壊れる 冷める 去る 去年 亡くなる 薄い 四 九 慌ただしい 浮かばれない 生きていた頃 逝く 薄い 痛ましい 痛々しい 苦しい 嫌い 苦労 ケンカ 残る 必死 ひどい 不運 減る 負ける 滅びる…… |
夫婦の別れ、離婚を連想させる忌み言葉 | 失う 終わる 返す 帰る 切る ほどける 離れる 戻る 分ける 逃げる 飽きる 別れる 破れる 相次いで 飽きる 移る 返す 折れる 帰る 衰える 重ねる 傾く 繰り返し 離れて 引き続き 再び 閉会…… |
重ね言葉(同じ言葉が繰り返されたもののことを言います。 「繰り返す」は再婚や出戻りを連想させるのでNGとされる) |
例)重ね重ね いろいろ くれぐれも たびたび たまたま 次々 日々 ますます もう一度 いよいよ 色々 ギリギリ 二度と 別々 ほどほど はるばる …… |
マイナスイメージに受け取られる言葉 | 頑固、気が強い、頼りない、おとなしい、若い、浅い 褪せる …… |
結婚式二次会はカジュアルなパーティーになることが多いですし、そこまで気にするゲストはいないかもしれませんが、把握しておいて損はないと思います。重要なポイントでの避けるべきメジャーな忌み言葉もあります。言い換えて用いられますが、例えば
- ケーキを「切る」、ケーキ「カット」 → ケーキに「ナイフを入れる」、ケーキ「入刀」
- 締めの挨拶「終わり」「閉会」→「お開き」になります
- 「最後」に新郎新婦のおふたりからご挨拶を→ここでおふたりから「結び」のご挨拶を
と言い換えるなど、これらは常識として知っている人も多いのではないでしょうか。
このように実際進行のときに言ってしまいがちな忌み言葉の言い換えも一覧にしてみました。
・帰る(→中座する) ・離れる(→移動する) ・くれぐれも(→なにとぞ、ぜひとも) ・飽きる → 満足する ・忙しい → ご多用 ・お返事 → ご一報 ご報告 ・終わる → お開きになる ・帰る → 失礼する 帰省する ・去年 → 昨年 ・嫌い → 得意ではない 好きではない ・ケーキを切る → ケーキ入刀 ・壊れる → 形が変わる 役目を全うする ・最後 → 結び ・四(し)九(く)→ 四(よん)九(ここのつ) ・ますます → 一段と 末永く |
・また → 並びに さらに ・花びらが散る → 花びらが舞う ・離れる → 新たな道を進む ・冷える → 温かいうちに ・スタートを切る → スタートラインに立つ ・月日が流れる → 月日が経過する ・泣く → 涙する ・~になってしまう → ~になり分ける → 分担する ・重ね言葉の言い換え例 ・いろいろ → 多く ・重ね重ね → あわせて ・くれぐれも → 十分に よく ・次々 → 沢山 ・もう一度 → いま一度 改めて ・わざわざ→ ありがたく 特別に |
ネガティブなワード
忌み言葉、重ね言葉以外にも、結婚式では避けた方がいいNGワードがあります。司会は新郎新婦の性格やなれそめ、エピソードを話す場面が少なからずあるかもしれません。
普段は褒め言葉とも取れる言葉が、場合によってはマイナスの印象を与えてしまう可能性があるので、常にポジティブな言い方に言い換える工夫をしましょう。
(例)
・頑固な人 → 意思が強い ・若い奥様→素敵な奥様 ・暗い → 落ち着いている ・気が弱い → 優しさに溢れている ・仕切り屋 → リーダーシップがある ・神経質 → 几帳面 ・頼りない → 控えめ ・冷たい → クール 冷静 ・若い → きれい かわいらしい |
このようにある角度から聞くと短所に聞こえてしまう言葉はできるだけ避け、長所に言い換えるようにしましょう。
子供の話題
様々理由で子供を授かれない人もいますし、子供を持つことに対しての考え方も人によって違います。司会の何気ない一言で、ゲストを傷つけたりプレッシャーを与えたりしてしまう可能性もあります。
中には新婦のご懐妊をまだゲストに言わないで欲しいという人も多いです。
オープンにしているふたりならいいですが、子供に関するデリケートな話題は避けた方が無難かもしれません。
下ネタや内輪ネタはNG
様々な人が参加しているパーティーで、中には下ネタが苦手な人もいるでしょう。
また司会と一部の人にしか通じない話題で盛り上がっていると、その他のゲストを置いてきぼりにしてしまいます。
双方のゲストに共通の知り合いが少ない場合は特に、内輪ネタで盛り上げようとするのは避けましょう。結婚式二次会でこの2つの話題はNGとされます。
忌み言葉や重ね言葉にどのくらい気を配るかは、司会本人の意識にゆだねられるといっていいでしょう。
参加ゲストに新郎新婦の職場の上司がいたり、言葉選びに敏感なゲストがいたりする場合は、失礼のないように気を付けなくてはいけません。
またNGワードは新郎新婦や参加するゲストによって違うので、事前に確認しておきましょう。
③ 結婚式二次会司会のマナー:態度、ゲストへの配慮を忘れない!
司会は他のスタッフの準備やタイムキープなど気を配ることが多く、当日はかなり神経を使います。機材トラブル、ゲストや新郎新婦の遅刻や体調不良など、突然のトラブルも予想できます。
そういったことにも臨機応変に対応しなければいけませんが、司会未経験な人はつい焦ってしまうものですよね。
焦ると周りが見えなくなり、とにかく進行しなければという気持ちが強くなり、ゲストを無視した進行になりがちです。
例えばスピーチや余興を行うゲストの準備が整っていないのにアナウンスすると、急かしてしまいパフォーマンスの質に影響しかねませんし、ゲスト全員が席に揃っていないのにゲームのルール説明を始めると最初から聞けなかったゲストに不親切です。
時間が押していると焦る気持ちはわかりますが、最低限ゲストの状況を把握し、足並みを揃えて進行することも司会のマナーと言えます。
着席率を確認してからイベントに移るようにして、スピーチや余興披露のゲストの準備状況を確認してからアナウンスを行うというのを徹底するだけでも、ゲストへの気遣いが見えますよね。中々戻ってこないゲストがいたら、幹事にお願いして喫煙所などにいるゲストに「イベントに移るのでお戻りください」とご案内してもらうといいでしょう。
そして司会は新郎新婦が入場する前にゲストに挨拶をするのがマナーとなっています。
新郎新婦に代わってパーティーに参加して頂いたことに感謝の気持ちを述べ、およそ2時間に渡り司会進行にお付き合い頂くという意味で自己紹介をします。初めての司会の場合はその旨を伝えておくとゲストも応援してくれるのでやりやすくなりますよ。
テレビ番組の司会者を見ていてもわかるように、普段と同じしゃべり方とはいきません。
「声が小さくて聞き取りにくかった」という参列ゲストの声をご紹介しましたが、声は大きすぎず小さすぎず、抑揚をつけてはっきりとしゃべることを意識する必要があります。
普段から声が大きい、または小さくて聞こえない、と言われる人は、事前に音響担当のスタッフとチェックをしておきましょう。
ゲームのルールやスピーチを行うゲストの紹介をするときに聞き取れないようでは不親切です。
ゲストの身になって、最低限わかりやすい文章の組み立て、声の大きさ、トーンなどを意識することも司会のマナーです。緊張や焦りで顔が固くなってしまうのもわかりますが、終始笑顔での進行を心掛けたいですね。
テレビ番組やニュース番組を見るときに司会者を意識して見てみてください。また俳優さんがやっているような早口言葉を1日一回やったりするだけで滑舌がよくなりますよ。
動画サイトに参考動画なども上がっているので真似をしてやってみてくださいね。
新郎新婦は司会を頼む候補者が何人かいる場合、「ゲストの雰囲気」と「どんなパーティーにしたいか」で決めるといいでしょう。
会社関係者を多く招待しているようなら、少しかしこまった司会ができる人を、友達同士ならにぎやかにとにかく盛り上げてくれる人など、実際話してみて目指すパーティーの雰囲気に合った人にお願いすれば間違いないでしょう。
どんなに焦っても司会のマナーは徹底しよう!
結婚式二次会の司会は、最低限のマナーを知っておく必要があります。
司会はパーティーで最も注目を浴びる役割なので、良くも悪くも目立ってしまいます。
司会のマナーが悪いと、新郎新婦やゲストに不快な思いをさせてしまいますし、パーティーのクオリティにもダイレクトに関わってきてしまうのです。
まず服装や見た目の問題は事前にいくらでも準備ができることです。
ここで躓くのは避けたいので、パーティーの雰囲気や参加するゲストの顔触れを考え、マナーに反しない服装をしましょう。
そしてお祝いの席ではふさわしくないとされる忌み言葉や重ね言葉、ゲストによってはNGワードが存在する場合もあります。
事前に新郎新婦に確認して、台本に書き込んでおくなどしてついうっかり口に出してしまわないよう気を付ける必要があります。
司会は最初にゲストへの挨拶をするのがマナーです。
この時に、初めての司会であることを伝えておけば、時間が多少押したり、トラブルで手間取ったりしても大丈夫です。
パーティー中も焦らず、ゲストに足並みを揃えて進行する意識を持っていれば不満が出ることはまずありません。
最低限のマナーを把握した上で、自信を持って役割を全うしましょう。